Mjunpaの雑記

京都の高校の数学教員です。何気ない高校生との会話に心が救われる今日この頃を綴っていきます。趣味の統計学や数学も少しずつ放出していきますよ。

期待値(平均)って何だろう?

秋晴れの爽やかな日が続いています。 ふと庭を見ると、ハナカタバミが見事に鮮やかな花を咲かせていました。思わずスマホを取り出してパチリ。

実はこの花、今から5, 6年前に、息子が乗らなくなった自転車の脇にひっそり咲いていたものを幾つか掘り起こし、庭に植え替えたものなのです。

植えた当初は、うんともすんとも言わない沈黙の数年間。「あちゃー、移植失敗したかな…」と思っていたのですが、昨年思い出したかのように一輪だけポツリ。そして今年——どうしたことでしょう、地下で何が起きたのかというくらい、たくさんの花が一気に咲き誇りました!

「何年も音沙汰がなくても、気長に待っていればちゃんと報われる(期待できる)」

……なんだかこれ、数学の授業で扱う「期待値(Expected Value)」の話にそっくりだな、と一人で勝手に納得してしまいました。

 

ということで、今回の数学レポートのテーマは「期待値(平均)」です。😊

趣味で統計学や確率論を嗜んでいる身としては、期待値や分散がどれほど強力で美しいツールかは身にしみて分かっているつもりです。 しかし、いざ高校生から

「先生! 期待値って要するに何なんですか? 何を『期待』してるんですか?」

と純粋な目で問われると、一瞬「ウッ…」と答えに詰まってしまいます。

「えーっと、確率変数 XXのとる値とその確率の積の和のことで……」なんて定義を黒板に書いた瞬間、教室の半分くらいが遠い目になりますからね(笑)。

高校生に「しっくり」来てもらうために授業の工夫をあれこれ考えているのですが、これがなかなか奥が深い。現時点で私が温めている「授業の仕掛け」をいくつかまとめてみました。お気づきの点等、ご教示いただけますと幸いです。🙇

 

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記憶喪失って早すぎるやん

​台風が過ぎるたびに秋が深まる……はずが、ここ京都はちょっと暑いくらいの爽やかな秋晴れが続いています。

​さて、定期考査が近づき、教室の空気もほんのりピリッとしてきました。

授業範囲を終え、「さあ問題演習だ!」とプリントを配り始める時期です。

​私が「1度目、2度目はできなくても、3度目にはできるようにしよう」と声をかけると、返ってくるのは決まってこのセリフ。

​「まだ1週間以上あるやん……(余裕)」

​その根拠のない余裕、一体どこから湧いてくるんでしょうか。

​「1年生は2学期から上下に分かれるぞ……」と声を低めて本気の脅しをかけてみても、生徒たちはどこ吹く風。頭の中は「なんだかんだ何とかなるさ」でいっぱいのようです。

​そんな中、特に印象的だったのが、1学期から成績が思わしくないある生徒のエピソード。

​熱血なY先生の補習に呼ばれ、夜19時近くまでみっちり指導を受けた彼女は、晴れやかな顔で言い放ちました。

​「もう大丈夫! 今回のテストは満点取れます!」

​完璧なフラグ……じゃなくて、頼もしい宣言!

……のはずだったのですが。

​翌朝、教室に現れた彼女が開口一番。

​「あれ、昨日やったこと、全部忘れた……」

Y先生が遅くまで付き合ったあの濃密な時間は、一体どこへ消えたのでしょうか。

​まあ今の時代はAIという頼もしい味方がいて、「忘れてもすぐ聞ける」便利な環境です。その文明の利器を、少しでも勉強する意欲に変えてほしいものです。

​先生たちは今日も、教室の片隅で祈っています。

「せめてテスト前に『3度目の正直』をやってくれ……」

​さあ果たして、彼女の「満点宣言」は、本物になるのでしょうか😊

複素数平面から関数空間を臨もう

雨が降るたびに秋らしくなっていく…と思いきや、今朝は寒さで目が覚めてしまいました。北海道ではもう初雪が観測されたそうで、あー寒いの嫌だなあ🤧

勤務校ではインフルエンザやコロナが流行して学級閉鎖まで出ています。気をつけなよ、とこちらが言っても、生徒たちは「学級閉鎖まで、あと○人」とカウントダウンしている始末。欠席が多いとこちらも授業を進めづらくって、つい雑談が増えてしまいます。

今回の数学レポートもそんな内容です。

数学において「アナロジー(類推)」は、新しい概念を理解する強力な武器になります。今回チャレンジしたのは、複素数平面における「実部・虚部への分解」と、関数空間における「偶関数・奇関数への分解」。一見全く違うものに見えますが、実はどちらも「直交する2つの成分への射影(直和分解)」という共通の構造を持っています。

添付ファイルは、この美しい対応関係をヒルベルト空間の準備から始めて、高校生たちに話した雑談録になります。

ぜひ感想などいただけると嬉しいです。🙇

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ワイエルシュトラスの近似定理

シルバーウィークも終わってしまった。最終日はお彼岸のお墓参りに行き、「明日からスムーズに仕事復帰できますように」と祈る始末。😂

連休中は「数学の勉強をしなくちゃ!」と自分にプレッシャーをかけていたのに、日常が戻った瞬間「仕事があるから…」と数学から華麗に逃げる自分がいる。情けない。完全に情けない。

そんな情けない人間が、今日もまた関数解析の本を開いている。黒田成俊『関数解析』(共立数学講座)。学生時代に読んだはずなのに、記憶がほぼ真っ白。書き込みを見ながら「ここまできれいに忘れてるってことは、当時『分かった気』になって満足してただけじゃないか…」と、過去の自分を優しく(でも容赦なく)イジりながら読み進めている。でも、それなりに楽しい。忘れていることを再発見する過程が、意外と悪くない。😁

 

今回のレポートは、あの有名な Weierstrass(ワイエルシュトラス)の近似定理。「閉区間上の連続関数は、多項式でいくらでも一様に近似できる」という、聞いただけで「おお、すごい」と思わせてくれる定理だ。

証明を2通りまとめた。

1つ目は、Fourier解析の道具(たたみ込み+Abel平均)を使ってまず三角多項式で近似し、そこからTaylor展開で代数多項式に落とすという、かなり「解析らしい」古典的な証明。手を動かすと「あ、確かに近似できてる…」と実感できるのが良い。

2つ目は、Bernstein多項式を使った確率論的な証明。二項分布と大数の法則をうまく利用したとてもエレガントな証明だ。

 

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筋肉痛ウィーク突入!

ついにシルバーウィーク突入ですね!🤩

​先日、生徒たちに「連休はおじいちゃん達の家に行くの?」と聞いてみたところ、ある生徒が一言。

​「『長生きしてね』ってLINE送ってから、ユニバ行きまーす!」

​……なるほど、今どきの高校生(笑)。

長生きもしてほしいけれど、ユニバにも行きたい…まあ優しい子なので、きっとユニバ土産のスヌーピーでも持って後日顔を出すのでしょう!

​さて、私のシルバーウィークはというと…。

​文化祭期間中に少し休めたものの、休み明けに仕事モードへ戻すだけで一苦労。「仕事ってこんなに体力使ったっけ?」と毎回痛感しています。

​そんな私の今回の連休の予定は、以下の通り。

​○ 伸び放題になった垣根の剪定

​○ 遠方に住む息子夫婦への訪問

​○ 妻の実家の草引き

​どれも一日がかりのビッグイベントばかり。

終わったあとの達成感はすごそうですが、それと引き換えに「腰痛」「筋肉痛」「疲労感」がセットでついてくる未来が見えます。

​連休で体を休めるはずが、全力で酷使する数日間。

休み明けの私の身体は「え? 休みだったんじゃないの?」と絶対クレームを言ってくるはずです。

​名前は「シルバー」ですが、やることは完全に体育会系。

連休最終日の私は「充実した人」ではなく、間違いなく「完全充電切れの人」になっていることでしょう。今から休み明けの仕事が憂鬱です。😅

​みなさんのシルバーウィークはのんびり派ですか?それとも私と同じ筋肉痛製造派ですか?

玄関前に、きざみ海苔が降る

なんだかんだと用事を入れてしまい、勤務校の文化祭には行けずじまい。生徒のみなさん、ごめんなさい🙏

さて、休日1日目は、以前から気になっていた玄関前の泥対策に着手。

妻の自転車置き場が土の上にあるため、雨が降るとタイヤが泥を連れて帰ってくる。そこで、防草シートを敷くことにした。

ホームセンターで買ったのは、1m×5mのロール状シート。場所に合わせてハサミでチョキチョキ切っていると……。

なんと、きざみ海苔のような破片が大量発生!

「えらいもんを買ってしもた……」

切り口をテープで押さえ、なんとか敷き終えたものの、見た目は少々ぶさいく。

玄関前なのに、まるで工事現場。

泥は減ったかもしれないが、今度は私の心に、ちょっぴり土ぼこりが舞った。

次は、もう少し見栄えのするシートを選ぼう……。😂

文化祭、盛り上がってるね

文化祭が近づいてくると、教室の風景が一気にカオスになる。

黒板の前には巨大な背景画が立ちはだかり、窓際にはなぜか公園のベンチが鎮座し、床には段ボールの城や巨大な看板が広がっている。生徒たちは残りわずかなスペースにぎゅうぎゅうに固まって授業を受けている。隣の人の肘が自分のノートに食い込み、前の人の髪が視界を遮る。それでも誰も文句を言わない。むしろ「文化祭だから仕方ないよね」と、どこか誇らしげだ。

この窮屈さこそが、文化祭ならではの風物詩である。普通の学校生活では絶対に見られない光景だ。教師としては「おいおい、机のスペースぐらい確保しろよ」と言いたい気持ちもあるが、そこをぐっとこらえて静観する。だって、この混乱こそが彼らの熱量の証だから。

ある日、授業の合間に生徒がやってきた。

「先生も見に来てくれるんだよね? 絶対来てね!」

目がキラキラしている。こちらとしては、都合がつかない可能性が十分にある。家の用事が入っていたり、数学の本(現在は関数解析を勉強中)を読みたかったり、あるいはその期間中に「普段絶対に行けない餃子専門店で、名物のニンニクましまし餃子を食べたい!」という私的な理由があったりする。でも、そんな本音を口にするわけにはいかない。

「もちろんだよ。楽しみにしてるよ!」

笑顔で即答する。悪い大人である。

本当は「行けたら行くよ」と正直に言うべきなのかもしれない。でも、あのキラキラした目を見てしまうと、つい「絶対行く」と言ってしまう。モチベーションを下げたくないのだ。彼らが放課後遅くまで作業している姿を知っているから、せめて言葉だけでも応援してあげたい。

そして当日、もし本当に都合がつかなくて行けなかったら?

「ごめん、急用ができちゃって……でも写真は見たよ! すごかったね!」と、後からフォローするつもりだ。さらに悪い大人である。

文化祭の教室は、物理的にも精神的にも窮屈だ。でも、その窮屈さの中に、生徒たちの本気と、教師のちょっとした嘘が混じり合っている。これもまた、学校という場所の面白いところなのかもしれない。

……まあ、せめて写真ぐらいはちゃんと見ておこう。嘘をついた罰は、ちゃんと受けないとな。